はじめに――“食べないだけ”では体は変わらない
食事量を減らすと体重は落ちやすくなりますが、同時に筋肉まで減ってしまうことがあります。
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、リバウンドを招きやすくなります。
そこで頼りになるのがたんぱく質=プロテインです。
本記事では、ダイエット中にプロテインが本当に必要なのか、
どれくらい・どんな形でとればいいのかをわかりやすく解説します。
youtubeでも紹介してますので良かったら見てください
1. プロテインって何?

プロテインは日本語でいう「たんぱく質」そのもので、
私たちの筋肉・皮膚・髪・血液からホルモンや酵素にいたるまで、
体をつくる主要な材料です。
普段の食事では肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などから摂取しますが、
これらだけで必要量をそろえるのが難しい場面もあります。
そこで登場するのが粉末やバー状に加工されたプロテインサプリメント。
これは食品に含まれる水分や脂質を取り除き、
たんぱく質を高濃度にした“濃縮素材”で、忙しい朝やトレーニング後の短時間で
効率よくたんぱく質を補給できるのが最大のメリットです。
つまり「食品=基礎」「サプリ=不足を補う保険」というイメージで、
どちらが正義というより両方を組み合わせてトータルの必要量をクリアすることが大切だと
覚えておくと分かりやすいでしょう。
2. ダイエットで起こる“筋肉ロス”

体はエネルギー不足になると、まず体内の糖(グリコーゲン)を使い、
次に脂肪と筋肉を分解して不足分を補います。
筋肉が落ちると
- 毎日何もしなくても消費するカロリー(基礎代謝)が減る
- 体の引き締まりが失われ、見た目が“やつれた”印象になる
- 免疫力や疲労回復力が落ちる
といった悪影響が出ます。
これを防ぐカギがたんぱく質の十分な摂取です。
3. プロテイン摂取のメリット

- 筋肉の維持・修復
筋繊維は毎日壊れては再生しています。
たんぱく質が足りないと修復が追いつかず、筋量が減少します。 - 代謝アップ
筋肉量が保たれると基礎代謝が高いままキープされ、
同じ食事でも太りにくくなります。 - 満腹感の持続
たんぱく質は消化吸収に時間がかかるため、
腹持ちがよく間食を防ぎやすい栄養素です。 - ホルモン・酵素の材料
体内のホルモンや消化酵素もたんぱく質から作られます。
欠乏すると体調不良や集中力低下を招きます。
4. “とり過ぎたら太る”の誤解

「プロテインを飲んだら太るのでは?」という不安は根強いものの、
実際には余剰カロリーが脂肪として蓄積されるかどうかで決まります。
たんぱく質は糖質・脂質に比べて“食事誘発性熱産生”が大きく、
摂取エネルギーの約20〜30%を消化・吸収の過程で熱として消費してしまいます。
また、過剰なたんぱく質は分解されて尿中に排出されたり、
一部は体温維持に利用されたりするため、
同じカロリーでも脂肪に直行しにくい栄養素です。
ただし総摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回れば当然体重は増えるので、
プロテインを“魔法の痩せ薬”と誤解せず、
あくまで適量を守ってバランスを取ることが大切です。
5. 1日にどれくらい必要?

- 運動習慣が少ない人:体重1 kgあたり1.0 g
- 軽い筋トレ・有酸素運動をする人:体重1 kgあたり1.2~1.5 g
- 本格的に筋トレをする人:体重1 kgあたり1.6~2.0 g
例)体重60 kgで軽い運動をするなら、約75 g(ささみ5本+ヨーグルト1杯+プロテイン1杯)程度が目安です。
6. プロテインは食品? サプリ?

食事からとる
- 鶏むね肉、ツナ、卵、ギリシャヨーグルト、納豆などは高たんぱくで低脂質。
- 噛む行為が満足感を高め、ビタミン・ミネラルも同時にとれます。
プロテインパウダーを使う
- 食事だけでは目標量に届かないときの“補助”として便利。
- 水で溶くだけで1杯20 g前後のたんぱく質がとれるため、時間がない朝やトレーニング後に最適です。
7. プロテインの種類と特徴

種類 | 消化速度 | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
ホエイ(乳清) | 速い | 必須アミノ酸が豊富で 吸収が早い | トレーニング直後、朝 |
カゼイン(乳たんぱく) | ゆっくり | ゆるやかに吸収され 満腹感が続く | 間食代わり、就寝前 |
ソイ(大豆) | 中程度 | 植物性で低脂質。 イソフラボンを含む | 乳製品が苦手、 植物性を選びたい |
8. タイミング――“ゴールデンタイム”は本当にある?

筋トレ後30〜60分は筋肉合成に関わる酵素の働きがピークに達するため、
ここでホエイプロテインを摂ると損傷した筋繊維へ素早くアミノ酸を届けられるといわれます。
これが俗に“ゴールデンタイム”。
ただし近年の研究では「トレーニング当日の24時間トータルで十分なたんぱく質を摂れていれば
タイミング差による効果は小さい」とする報告も増えています。
したがって“ゴールデンタイム”は「逃したら無意味」ではなく、
「取れたらラッキー」程度に考え、
一日全体で必要量をクリアすることを最優先にすると失敗しにくいです。
9. 食事バランスの整え方

- 朝:主食+卵やヨーグルトで約20 g
- 昼:ごはん+鶏むね肉サラダで約25 g
- 間食:プロテインシェイクで約20 g
- 夜:魚の塩焼き+野菜で約25 g
このように3食+必要に応じてシェイクを組み合わせると、
無理なく目標量を満たせます。
10. よくある疑問Q&A

Q1. プロテインを飲むと腎臓に負担がかかる?
A. 健康な人が推奨量内で摂る限り腎機能への悪影響は認められていませんが、
既存の腎疾患がある場合は医師と相談を。
Q2. 食事内容が乱れていてもプロテインだけ飲めばOK?
A. たんぱく質は重要ですが、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足すると代謝が滞るため、
まず食事バランスを整えたうえで補助として利用しましょう。
Q3. ダイエット中は炭水化物を極端に減らした方がいい?
A. 炭水化物を極端に減らすと筋グリコーゲンが枯渇しトレーニング強度が落ちるため、
主食は適量残して質を高める(玄米・全粒粉など)方が効率的です。
Q4. プロテインバーとシェイクはどちらが優秀?
A. バーは携帯性に優れ、食感で満足感が高い反面、
脂質や甘味料が多めの製品もあります。
成分表示を確認し、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
Q5. 運動しない日はプロテインを減らすべき?
A. 休息日こそ筋修復が進むため、必要量を下回らないよう維持する方が
回復・代謝維持に有利です。
Q6. プロテインを温かい飲み物に溶かしても大丈夫?
A. たんぱく質は100℃以上の高温で変性しますが、
栄養価に大きな影響はありません。
70℃前後までの温度ならダマになりにくく、
冷えが気になる季節におすすめです。
まとめ――“不足を埋める保険”として賢く使おう

ダイエット中はカロリーを抑えるあまり、たんぱく質が足りなくなりがちです。
必要量を満たせないと筋肉が減り、
代謝が落ちることで痩せにくい体質に変わってしまいます。
- まずは食事で高たんぱく食材を意識する
- 不足分をプロテインパウダーで補う
- 1日体重1.2~1.5 g/㎏を目安に
この3点を守れば、無理なく筋肉を維持しながら脂肪を
落とす“メリハリダイエット”が実現できます。
プロテインは魔法の粉ではありませんが、適切に使えば強力な味方です。
自分のライフスタイルに合わせて上手に活用し、
リバウンドしない健康的な体を目指しましょう。
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